呼吸のはなし
呼吸の仕組み
呼吸は、生命を保つために必要なからだの活動です。呼吸に関係する内臓は「肺」ですが、肺は自力では膨らむことも縮むこともできません。「呼吸筋」と呼ばれる筋肉の働きによって膨らんだり縮んだりしているのです。
呼吸筋には色々ありますが、代表は肺の下にあって胸部と腹部を分けている「横隔膜」と、肺を取り囲んでいる肋骨の1本1本をつないでいる「肋間筋」です。横隔膜が主動となり、肋間筋が弾力を持って働くことで、肺を動かしているわけです。
さて、皆さんは自分が1日何回呼吸をしているか、ご存知でしょうか?
通常の呼吸は、1分間に12回から20回、間を取って16回とすると、
16回×60分×24時間=23,040回!
私たちは、1日2万回以上も呼吸をしているのです。
1日2万回以上も行っている呼吸がうまくいかないとからだへの影響も大きいということが、なんとなくイメージできるのではないでしょうか。
呼吸の役割
呼吸には次のような役割があります。- 生命を維持する
- 姿勢を安定させる
- 脳(心)を安定させる
- 代謝を整える
- 筋肉の反応を引き出す
注目するのは、「姿勢を安定させる」という役割です。
姿勢が安定するということは、からだの軸が安定するということです。
つまり、呼吸によって「動かしやすく、疲れにくいからだ作り」ができるのです。
まさに、「呼吸はすべての動作の要」なのです。
呼吸を整える効果
- 姿勢が良くなる
- 動きやすく疲れにくいからだになる
- 代謝が良くなり、太りにくいからだになる
- 自律神経の働きが整う
- よく眠れるようになる
- 精神状態が安定し、イライラしなくなる
呼吸は、体調改善の大切なポイントです。
そのため、当院では呼吸を整えることを重視しています。
正しい呼吸は、学校では教えてくれません。
多くの方が、自己流で1日2万回以上呼吸をしています。
そのため、呼吸にクセを持ってしまう方が多くいらっしゃいます。
ご自分の呼吸を見直し、「呼吸を整える」ことを始めてみませんか?
参考文献
『奇跡の呼吸力』有吉与志恵(ちくま新書)『セロトニン欠乏脳』有田秀穂(生活人新書)