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はちおうじみずき通り整体院


埋まった穴

昨晩の某公共放送の9時のニュースで、懐かしい名前が話題となっていました。

ベン・ジョンソン。
今から25年前に行われたソウルオリンピックの100メートル決勝で、最初にゴールラインを駆け抜けた選手です。

あのレースは衝撃でした。
全世界が注目する、カース・ルイスとの頂上対決。
その対決を、当時の世界記録を上回る9秒79というとんでもないタイムで制したのです。
レース後はあまりの衝撃と感動で涙があふれ、テレビの前でただただ呆然とベンのウイニングランを見つめていました。

しかし、レース後のドーピング検査で陽性となり、金メダルをはく奪されてしまうのです。
その時のショックといったらありませんでした。

ソウルオリンピックでのベンの走りは、自分の中では100メートルのベストパフォーマンスです。
9秒58という驚異的な世界記録を叩き出したあの世界陸上ベルリン大会でのボルトを見た今でも、それは変わりません。

それほどあのレースから受けた衝撃と感動が大きかっただけに、金メダルはく奪のニュースは、にわかには受け入れ難いものがありました。
冷静に考えれば全くの人ごとなのだけれど、心の中にぽっかり大きな穴が空いたような虚無感というか、思い通りにいかない現実に対するイライラというか、言葉では表せないような複雑な想いでした。

そのベン・ジョンソンさんが、自身の経験をもとにドーピング防止活動を行っていることを、昨夜のニュースで知りました。
ベンさんは、「若い人たちに、自分と同じ過ちを犯して欲しくない。」と訴えていました。

某公共放送のキャースターは、ベンさんの活動をみて「ちょっと安心した。」とコメントしていました。
私も、全く同じ想いでニュースを見ていました。

ベンさんが犯した過ちは、決して消えるものではありません。
しかし、自身の経験をさらけ出し、ドーピング防止を訴えるその姿は、25年前のあのとき感じた心の中に大きく開いた穴を埋めるには十分なものでした。

ベン・ジョンソンさんの活動が功を奏し、今後ドーピングにかかわる悲劇が根絶されることを心から願っております。



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